逢田梨香子Curtainraise、長い幕開けのその終わり

逢田梨香子さんの1stライブツアー「Curtainraise」が、2021年3月26日の大阪公演で無事に閉幕しました。まずは逢田さん、スタッフの皆さん、1年越しのツアーおつかれさまでした。そして、ありがとうございます。普通は私はライブの感想は散発的にTwitterに書いていますが、今回は長文を書きたい気分なのでここに残します。

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名古屋夜公演、始まった瞬間自分の耳と目を疑いました。

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あの、逢田梨香子の、歌が、上手い!

少なくとも音程だけならCDと全く変わらない。ウソでしょ?音源載せてる?

 

私は10年トランペットをやってたので、音感はあります。視力も逢田さんほどではないけど両目1.5以上ある。そしてこの日は、最前列ほぼ中央だったので、もし音源の「かぶせ」があればどこかでリップシンクがずれるはずと、ずっと口元を見ていたんですね。(性格悪くてすみません)

結果2時間、一度も音がずれることはありませんでした。ライブのパフォーマンスを維持しながら、でです。これは本当に驚きました。なんてことだ。生の歌唱力だけならラブライブ!キャスト30余名の中でもかなり上位に入るはず。体力や身のこなしはAqoursの5年間の活動で磨いてきたので、歌唱力が加わることで、ライブでの強さが一気に開花した瞬間を見てしまいました。

 

音楽CDは何度も歌い直して繋ぎ合わせて作ったりしますし、ライブのBDでは音程や歌詞間違いは修正してしまいます。それはそれで商品としては正しいんだけど、「生歌一発録りが上手い」はやはり魅力的です。歌には1本通しのストーリーがある。だから、THE F1RST TAKEのような試みがウケるんだと思います。

 

名古屋公演の前に逢田さんの生歌を最後に聞いたのは2020年2月のギルキス1st、ご本人の歌だと2019年11月のファンミーティング。ファンミでは「最初はやっぱり歌から始めたいよね」と準備映像で語っておきながら「FUTURE LINE最初に歌いたいなんて言うんじゃなかった(難しいから)」で笑いを取る流れで、この頃の逢田さんの歌は5年前より上達したとはいっても、Aqours活動の延長線上でした。

ではいつこんなに、飛躍的に伸びたかというと、コロナの自粛期間中です。ほぼ毎公演「延期した8ヶ月間は無駄ではなかったと思いたい」と語っていて、逢田さんは良いことも悪いことも全部受け止めて飲み込んでしまうタイプなので、「思いたい」は主に心理的な意味を指しているんでしょうけど、この8ヶ月を相当に歌の練習に当てたのは間違いありません。

私は短期間でこれだけ上達した方を他に知りません。

名古屋公演は、歌手・逢田梨香子にとって大きなマイルストーンになりました。音や映像をおそらく残してないのが残念でなりません。ついでに記念写真も撮り忘れてるけど。元から上手い人の歌を見るのも楽しいけど、変化を見るのは更に楽しい。これからも、本当に楽しみです。

 

さて東京、大阪公演はどうだったかというと、まず東京公演は「会場が大きくて緊張した」とのこと。大阪公演はたぶん発声法を模索していて、高音の張りが大きく改善している一方で音程はわずかに下がりました。わずかな差ですけど、遠からず両立するはずです。

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ともあれ、この8ヶ月(+3ヶ月)がなければ、FUTURE LINEのサビやfor...の入りをガツンと当てられるようにはなっていなかっただろうし、延期中にリリースされたDream hopperも歌っちゃうよ?みたいな野心も見られなかったはずです。

ツアータイトルも2020-2021に変えてますしね。過去は過去。今を生きてる。

 

このDream hopper、大阪公演のアンコールサプライズでしたが、Curtainraiseツアーのバンマス兼KBの野間康介氏の作曲です。逢田さんの今のポテンシャルを一番よく知る人が書いた曲、というロジックが見事にパフォーマンスに反映されていて、これはきっと今後の曲作りを大きく左右すると思います。

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逢田さんの言動はいつもおもしろく(興味深く)見ていましたが、歌手・逢田梨香子の将来も、本当に楽しみです。

最後に、コロナ禍の中ツアーの開催と維持を執念で守り続けた関係者の皆様に、お礼申し上げます。