Windows10をNASにする

「記憶域プール」使ってますか?

 

Windows8の頃に当時のServer2012から移植された機能だと思いましたが、誤解を恐れずに言えばOSが標準で用意しているソフトウェアRAID機能です。ミラーやパリティ付きミラーが使えます。

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私がRAIDに求めているのは「何かあったときの救済手段が明快なこと」です。この記憶域プールはその辺りたいへん優秀です。似たような機能はNAS専用機にもあるはずですが、機種依存する知識はどうしても継続性に不安が残ります。Windowsで習得すれば今後ずっと使えるはずです。

  • ディスクの機種、容量、性能、IFの種類は問わない。「ミラーにしてくれ」と頼めば勝手に良い感じに容量を組み合わせて冗長構成にしてくれる。3TB+3TB+6TBなんかでも構わない。多分(3+3)+6にしてくれている。
  • ディスク単体が故障したときは切り離して縮退運転を続ける。新しいディスクをつなぎ替えるとそのうち均してくれる。
  • アレイの情報は母艦に依存しない。母艦が壊れたら別のマシンに繋ぎ直せば元通りになる。このときIFの何番に繋ぐかとか一切気にしなくて良い。何ならうっかり繋ぎ忘れた玉があっても後で繋げば勝手に元に戻る。厳密に言うとプールの管理機構にバージョンがあり、新しいプールで構成したディスクを古いWindowsに繋ぐことはできないらしい。でもWindows10は強制バージョンアップだからあまり気にならない。
  • 切り離し、戻しなどの操作はコントロールパネルかPowerShellで行える。シリアルナンバーなどを確認しながら安全に作業できる。
  • モノがWindowsなのでWindowsの管理機能やアプリが使える。イベントログを監視してメール飛ばしたり、CrystalDiskInfoを併用したり。等々。
  • 実際に搭載している玉の容量を超えてボリュームを定義できる。当然物理的な容量不足を回避できるわけではないが、思い切って大きな容量を「予約」してしまえばフォーマット作業が当面不要になる。

難点がないわけではありませんが、許容できる範囲です。

  • パリティ計算が遅い(検証は知人)。ミラーなら問題ない。
  • Windowsマザーボードの値段がかかるため、玉の数が少ないとNAS専用機より高価になりやすい。ベイ数が多ければ逆転する。
  • NAS専用機よりは電源を食う。
  • 記憶域プールはシステムドライブには使えない。もっとも、記憶域プール自体が母艦の故障に寛大なので、システムドライブをミラーで守る必要性が薄い。

我が家のWD RED 10TB×4(双方向ミラー)でこの速度です。ほぼ単玉の速度そのままですね。

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当初はこのWindows NASはHP ProLiant MicroServerで組んでいて、ミラーを維持したままディスクを載せ替えたり母艦を変えたりを繰り返しており、初期構成と同じ部品はWindowsのライセンスのみというところまで来ています。あんな感じのNAS向けの安価なPCがもっと出回るとよいのですが、ね。MicroServerも安いのは最初だけだったしなあ…